2009年8月17日月曜日

ビオトープ/ポケットエコスペースの整備を行う。

□土曜日は仕事明けであったが、買物があったので11時に帰宅した。友人幅さんからメールが入っていた。江東区水辺とみどりの課からエコスペース整備用の「荒木田土」が土曜日に届くが、整地作業は日曜日11時から行いたい旨の内容だった。水補給に行ったら20袋の「荒木田土」(あらきたつち)が届いていた。

□日曜日、長靴スタイルでスコップ等を持って10時45分から現場で待った。昨夜、女房が晴海の花火会場から持ち帰った2畳程のアルミ製マットが役に立った。間もなく幅さんが自転車で現れた。

□20袋の土は、「水田の土=すいでんのつち」という由来の通り、いわゆる粘土質の土である。一袋20㎏程あり、移動するだけで結構疲れる。幅さんは私より3歳上だが私の方がへばりがちであった。4日前に伊勢の子供たちの夏休みキャンプ場のボランティアに行ってきたとのこと。大雨で散々だった。薪割りで腱鞘炎を起こしたということで腕に包帯を巻いていた。頭が下がる。

□12時過ぎに作業が終わり、後片付けをしているところに女房がタイミング良く、味噌汁付おにぎりとビールを持ってきてくれたので昼食会となった。「人生、最後をどう生きるか」、ホームヘルパーの仕事をしている女房の話しも加わって結構長い昼食会となった。話をしながらの野外の食事は格別おいしかった。有意義な昼食会だった。3時半を過ぎていた。

□東雲2丁目公園の活動を会報に載せたいので、5月30日の復旧作業から今日の整地作業までの状況をまとめてほしい。ビオトープでのヒートアイランド観察「蒸水量」の話は他の人たちも新しい発見かもしれないので合わせて書いてほしい旨の要請があった。

ヒートアイランド:前夜雨「蒸水量」OFL-30mm

□昨夜、雨が降った。今朝、定時9時30分の水位はOFL-30mmであった。通常、通夜の水位はー45mmである。昨夜の「降水量」は15mmであったことが分かる。定規で測っているので1~2mmの差はあるかもしれないが、このビオトープによる測定の方法は「降水量」と「蒸水量」が同時に測定できる。簡易でやるとすれば、人件費は別にして安価で確実な測定システムである。世界各国どこでも出来る。

□温暖化の科学的測定は℃が基準である。温度計や湿度計の同時記録が必要であるが、℃の測定は条件を統一しなければならないから難しい。アメダスのようなシステムがない国では、温度計や湿度計を入れた「百葉箱」=ひゃくようそう(窓)そのものの運営・管理が難しいのではないだろうか。

□ところで、気象庁はアメダスのようなシステムでの「蒸水量」の測定はやっているのだろうか。

ヒートアイランド:晴天時「蒸水量」3時間OFL-5mm

今朝は、清澄白河駅前花壇の会の月例会の日。9時半から2時間のボランティア活動で会社で着替えて12時半の帰宅。3時間遅れのエコスペースの水位は-50mm。一昨日、昨日の45mmに5mmの増である。3時間5mmは、晴れた日のヒートアイランド蒸水量の目安の数値となる。

ヒートアイランド:東雲地域24H「蒸水量」OFL-45mm

■昨日の満水時11時30分から今朝9時30分までの水位はOFL-45mm/Dであった。両日とも同じ晴の天候もあって、昨日の朝の時間帯の水位と全く同じであった。昼夜22時間で蒸発した水量(降水量に対し「蒸水量」とした)は45mmである。これに池の面積22.5㎡を乗じた約1000ℓが全体の「蒸水量」である。ℓ当たりの水道料を掛けると「水道料金」で表示できる。これは昨日9時30分から11時30分まで2時間かけて人工的に補充した水である。自然循環ではない。この分がヒートアイランドの影響によるものと単純に考えると一般的には解りやすいのではないだろうか。温度による観測は時間や場所によって異なる。「蒸水量」による観測は単純で測定し易い。

■これは、今回の「ビオトープ」管理で解った事実である。「ポイ捨てゴミ」定点観測に加えて「ビオトープ」定点観測として継続して行きたい。なお、「ポイ捨てゴミ」定点観測の結果は次のサイトで見ることが出来る。http://www.aqua-planet.net

■「ヒートアイランド/Heat Island」は直訳すると「熱の島」である。これは、気温分布を等温線で描いていくと都市を中心に都市部が周辺から浮いた島のように見えることに由来している。都市部が異常な温度上昇をする主な要因は①人間が定住すると土砂や植物の代わりに建物ができ、熱が放出される。②海や川の沿岸部に建てられた高層ビルが風の流れを遮り、都市部の高温化に拍車をかけていること分かってきている。
ヒートアイランドの緩和策として、緑地を増加させたり、不用な排熱を減らしたりといった対策が行われている。

■ヒートアイランド現象の原因として次のような要素が挙げられている。
1)緑地や水辺、裸地などの減少や舗装による降雨の地面への浸透量の減少、土中の保水力の低下、ひいては蒸発・蒸散量の減少。
2)アスファルトやコンクリートによる光反射率の低下、熱吸収率の増加。
3)大気汚染による、大気が吸収する太陽エネルギーの増加(地球温暖化)。
4)産業活動における工場、家庭の空調設備、自動車などによる人工排熱。
5)オフィスビルの情報機器による人工排熱。
6)高層建築物の建設や都市の地形変更による、海風の遮断、または風の流れの変化。
7)ヒートアイランドに伴って冷房需要が増加し、それが排熱の増加と招く悪循環となっている。

どの要素がどの程度ヒートアイランドに寄与しているかは解っていない。IPCCでもヒートアイランドが地球温暖化にどの程度影響しているかは、科学的に証明されていない。

資料:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「ヒートアイランド」定点観測としてのビオトープ

□最初、ビオトープの水はどうしてこんなにも早くなくなるのだろうかと不思議に思った。コンクリート枠の旧排水構の底が閉じられてないのではないかとか、底敷きゴムに穴が開いているのではないかと考えていた。先週、友人でもある公園内ポケット・エコスペースの担当責任者に聞いたら他のエコスペースも同じだという。本来は水洗トイレのタンクに付いているような自動給水装置が付けなくてはならないのだが取り付ける予算がないとのこと。生き物の環境保全や保護の国家施策でスタートしたはずであるが、施策と現実とが一致していない矛盾と不合理が見えてくる。

□ところで、ビオトープの水は毎日確実に減る。前日や当日の天候にもよるが、1日24時間で30mmから60mmほど減ることが実測で分かった。これはオーバーフロー口(今後OFLで表す)からの水位である。気象庁流に表現するとOFL-30mmから-60mmということになる。この範囲内で雨が降れば満水ということになる。1時間当たりにすれば、昨今の九州地域に降った豪雨に近い水量である。ちなみに、地域によって異なるが、気象庁では1時間20-40mmで「大雨注意報」、40-60mmで「大雨警報」を出す目安とのこと。

□池の大きさはOFLの位置の水辺で横幅3mと縦幅7.5mである。面積にして22.5㎡である。これに高さの値となる水位OFL-45mm(-30mmと-60mmの平均値として)を掛け合わせると300cm×750cm×4.5cm=1012500立方cmとなる。ℓ単位で1013ℓである。概算で1000ℓである。2ℓペットボトルに換算して500本相当の水量である。

□環境政策の施策としてビオトープが立案された頃、都市化によるヒートアイランドの概念がなく、当時は蒸発は極少量で自動給水装置は必要でなかったと仮に仮定したとすると、都市化、少なくとも30階以上の高層マンションが7棟も集中して立ち並ぶ東雲地域におけるヒートアイランド効果は、水量にして一日平均45mmということになる。このような考えと方法で実測すると、素人にも地域別ヒートアイランド率が分かるのではないだろうか。

東雲2丁目公園にビオトープがあった。

□事前に現場に行って見て驚いた。もう満5年も同じ敷地内に住んでいるのに《ビオトープ》の存在を初めて知った。~生き物たちの庭~《ポケット・エコスペース》の説明看板とともにツタの葉で囲まれた確かに放置状態の荒れたビオトープがあった。これまで、近くの幼稚園の園児がよく先生に連れられて遊んでいる様子を見ていたので公衆トイレのある普通の公園と思っていた。

□《ポケット・エコスペース》は江東区土木部水辺と緑の課が環境政策の一環として小学校や公園内に設置されたものである。後で知ったが、48箇所あるという。

□予定通り10時に友人の幅君、水辺と緑の課でビオトープ推進者の清田さん、ビオトープ・ボランティアの大塚さん、同じくお孫を連れた花里さんが集合。早速、作業に取りかかった。ツタや笹を刈り取った後、池の中の土を掘り起こし周りに積み上げた。一時間の程で終えた。途中一時、雨が降ったが止んでくれた。

□幅君からそれとなく誘われ覚悟していたが、大塚さんから「東雲2丁目公園」を担当してほしいの要請が正式にあったので、月一度の見回り管理を引き受けることにした。同じ敷地内にあってほっとくわけにはいかない。実は、設置されて10余年、今日が初めてのメンテナンスのことであった。敷地内には私の住む34階360世帯と隣の36階360世帯が住んでいる。子供たちにトンボや蝶、小鳥の集まる自然の姿を見せることは大切である。還暦人生の責務であろう。